ハイローオーストラリアは経済指標を避けるべき?重要指標6選
為替を対象とする投資において重要な『経済指標』に着目していきます。
- 重要経済指標ランキング
- エントリーを避けるべき経済指標の紹介
- 経済指標発表時のハイロー攻略法
バイナリーオプション取引をするなら、経済指標は絶対に押さえておかなければならない重要な要素です。
というのも、初心者の場合は基本的に経済指標発表時のエントリーは控えるべきだからです。
この記事で、ハイローオーストラリア取引における経済指標について徹底解説します。
経済指標とは
経済指標とは
各国の政府や中央銀行から発表される国の景気や情勢を計る数値のこと。
各国では、自国の経済状況を「雇用」「物価」「景気」「金利」などの観点から公表しており、投資家はこれらをチェックして取引の参考にしていることが多いです。
単純な例を出すと…
- ある国で失業率が上がる
- 景気が悪化すると考えられる
- その国の通貨は売られて価値が下がるという現象が起こる傾向がある
- それを見て投資家が動く
といった感じです。
経済指標とバイナリーオプションの関係
先ほどの例からも分かるように、その国の経済状況は為替の動きに大きな影響を与えます。
みなさんの中には、ハイローオーストラリアをしていて、「テクニカル分析的には完璧なタイミングでエントリーしたのに、価格が急変動して反対方向に進み負けた!」ということがあるのではないでしょうか?
このような場合には、経済指標の発表があったのかもしれないと疑ってみるといいでしょう。
予想外の相場の急変の理由には、だいたい次のようなものが多いです。
- 経済指標が発表される予定/発表された
- 発表された経済指標に対して各国の代表者が発言をした
このような場合には、テクニカル分析はあまり役に立ちません。
ですから、バイナリーオプション初心者は経済指標発表時にはエントリーを避けたほうがいいと言われます。
ただ、経済指標が発表される時間は予め分かっていますので、経済指標が発表されたことで起こる急激な値動きに関しては対策をとることができます。
おすすめ経済指標カレンダー
経済指標をチェックする際に便利な経済指標カレンダーなるものを提供しているサービスもあります。
おすすめは、次の2つです。
いずれも無料で見ることができるので、取引をする前に確認しておくと、予想外の値動きに振り回されることを避けてトレードができるでしょう。
それぞれ見方を簡単に説明しておきます。
yahooファイナンスの経済指標カレンダー
yahooファイナンスには経済指標カレンダーのコーナーがあり、ニュースを確認するにもおすすめです。
yahooファイナンスの経済指標カレンダーはこちら(外部リンク)
yahooファイナンスでは、それぞれの経済指標の重要度が、以下のように★印で表示されています。
- ★が1つ→重要度が低い指標
- ★が2つ→重要な指標
- ★が3つ→最も重要な指標
みんかぶFXの経済指標カレンダー
みんかぶFXも多くの投資家が参考にしている人気サイトです。
みんかぶFXでは、経済指標カレンダーのほかに予想&速報などが観覧できます。
yahooファイナンスと同じく、重要度が★印で表示されていますが、こちらは5段階評価です。
- ★が1つ→重要度が低い指標
- ★が2つ→重要度がやや低い指標
- ★が3つ→重要度は普通
- ★が4つ→重要な指標
- ★が5つ→最も重要な指標
重要経済指標ランキング
経済指標は毎日どこかしらの国で発表されていますので、全部をチェックするのはまず無理でしょう。
ただ、一言に経済指標といっても、為替相場に大きな影響を与えるものはある程度絞ることができます。
ハイローオーストラリアで取引をする上でチェックしておきたい経済指標をランキング形式でご紹介します。
政策金利(FRB、ECB、日銀、BOEなど)
政策金利とは
中央銀行が各金融機関に融資する際に適用される金利のこと。
企業が製品を多く生産し、設備に投資することで、一般的に資金需要が高まるので金利が上がります。
逆に、不景気で個人消費が減退すれば、企業は商品の生産を控えるので、資金需要が低下して金利が下がると予想できます。
各金融機関は、政策金利に基づいて、企業に融資する際の金利を決定します。仮に金利が高くなれば、企業はお金を借りにくくなります。
その結果、企業の活発な活動は抑えられ、景気は沈静化されます。
一方、金利が安くなれば企業はお金を借りやすくなるので、経済活動が活発になり、景気が良くなります。
このように、政策金利は国の景気に大きく影響するのでバイナリーオプションでも注目されます。
- 年8回、約6週間ごとに1日~2日開催
- 夏時間:3:15
- 冬時間:4:15
米・雇用統計
米・雇用統計とは
アメリカの非農業部門雇用者数、失業率などを表す指標で、国の経済状況を計るものです。
米・雇用統計の対象事業所はアメリカ国内の3分の1にも及びます。
そのため、米・雇用統計でアメリカ企業の経営状況を知ることができ、現在のアメリカの景気と経済状況が分かる指標として注目されています。
さらに、雇用統計の結果によっては、政策金利などを決める金融政策も変わってくるので、為替の値動きにはかなりの影響を与えます。
- 毎月第1金曜日
- 夏時間:21:30
- 冬時間:22:30
消費者物価指数(CPI、HICP)
消費者物価指数とは
国の物価の状況を示す経済指標で、国内の物価のインフレ状況を判断するのに使われます。
日本やアメリカでは「CPI」、欧州ではEU加盟各国のCPIをまとめて「HICP」と呼ばれます。
見方としては、物価が高くなっていれば経済状況がよくなっていると判断することもできますが、物価上昇が進みすぎると消費が減るとも判断できるので、判断が難しい経済指標の一つでもあります。
また、各国はCPIの数値に上限ラインを設けており、この上限ラインを超えた場合は物価上昇が進んでいると判断できます。
その結果、インフレを警戒して利上げが行われることも多く、政策金利にも大きな影響を与えます。
- 毎月15日前後(米国の場合)
- 夏時間:21:30
- 冬時間:22:30
ISM製造業景況指数
ISM製造業景況指数とは
製造業の景況感を示す経済指標のことです。
米供給管理協会が製造業約350社の仕入れ担当役員にアンケート調査を実施してはじき出されるもので、製造業界の景気を占う数値です。
この指数が悪くなると、製造業界では「今後の景気が悪くなる」と予想でき、国全体の経済状況も悪くなる可能性が高いです。
目安としては、ISM製造業景況指数が50を超えると景気拡大、下回ると景気後退と言われています。
- 毎月第1営業日
- 夏時間:23:00
- 冬時間:0:00
ISM非製造業景況指数
ISM非製造業景況指数とは
非製造業の景況感を示す経済指標のことです。
ISM非製造業景況指数は、米供給管理協会が非製造業約370社の購買担当役員に以下の4項目について、アンケート調査を実施して発表します。
- 事業活動
- 新規受注
- 雇用
- 入荷遅延
この数値が悪くなると、非製造業界では「今後の景気が悪くなる」と予想され、国全体の経済状況も悪くなると予想されます。
こちらの指標も目安は、50を超えると景気拡大下回ると景気後退だと言われています。
- 毎月第3営業日
- 夏時間:23:00
- 冬時間:0:00
オーストラリアの経済指標
これまでは、日本の深夜の時間に発表されるアメリカの経済指標が中心でした。
三大市場の「ロンドン市場」と「ニューヨーク市場」が同時に開いている日本の深夜の時間帯では通貨の取引量が特に多くなっているので、経済指標の発表があってもある程度規則的な値動きをします。
ところが、日本の日中の時間帯は通貨の取引量が少なくなっているので、経済指標の発表があった場合に突拍子もない値動きをすることがあります。
関連記事ハイローオーストラリアの取引時間と時間帯による攻略手法
日本時間の日中に発表される経済指標の1つに、オーストラリアの経済指標があります。
特に注意しておくべきオーストラリアの指標は次の通りです。
- 雇用統計
- 政策金利
- CPI
- 住宅許可件数
- 貿易統計
- 小売売上高
金融政策に関する経済指標4つをご紹介【影響大】
ここでは、特に値動きが大きい「米国」「ユーロ圏」「イギリス」、そして、日本人トレーダーが取引していることが多い「円」に大きく影響する日本の金融政策に関する経済指標についてさらに詳しく解説します。
ご紹介する経済指標は以下の4つです。
米国の金融政策発表「FOMC」
金融政策発表で最も注目されるのが、FOMC「Federal Open Market Committee(連邦公開市場委員会)」です。
FOMCはアメリカの金融政策を決定するために年に8回開催されています。
アメリカの経済政策を実施するFRB(米連邦準備制度理事会)が、景気の報告・金利・為替レートなどについて話し合います。
- 前回のFOMC声明文や議事録で予想
- FOMC2週間前にベージュブック公表
- 政策金利決定
- FOMCの声明文発表(日本時間4:00頃)
- FRB議長定例記者会見(日本時間4:30頃 現在はパウエルFRB議長)
ユーロ園の金融政策発表「ECB」
ユーロ圏の金融政策は、欧州中央銀行「ECB(European Central Bank)」が決定しています。
ECBの行う金融政策は、アメリカのFRBに次ぐ世界的に注目度で、為替レートへの影響も大きいです。
最近の動向では、数々の不安材料が噴出しているため、ラガルドECB総裁はユーロ高を牽制する発言をしています。
そのため、物価よりも為替への影響が大きくなっている経済指標となっています。
ちなみに、毎月第1・第3木曜日に決定され、ユーロ通貨を使う、ユーロ園19カ国の中央銀行はその決定にしたがって金利の調節を行います。
イギリスの金融政策発表「BOE」
イギリスの金融政策は、イギリスの中央銀行であるイングランド銀行「BOE(Bank of England)」の金融政策委員会(MPC)が行っています。
こちらは、毎月第1水曜日・木曜日に開催されています。
イングランドとウェールズの通貨であるポンドは、値動きの激しさから「殺人通貨」と呼ばれています。
日本の金融政策発表「BOJ」
日本の金融政策は、日本銀行「日銀BOJ(Bank of Japan)」政策委員会が決定しています。
月2回開催され、会合決定後に会見が行われています。
現在の黒田東彦総裁が就任してから、2%の物価安定目標と量的・質的金融緩和を維持しています。
日本は長い間円高に悩まされてきましたが、これを打開するためのアベノミクスの3本の矢の1つがこの金融緩和政策です。
量的緩和政策については、SMBC日興証券の説明が分かりやすいので、ここでも引用します。
量的緩和政策とは、中央銀行が金利引き下げではなく、当座預金残高量を拡大することで金融緩和を行う金融政策を指します。
量的緩和政策の狙いとしては以下のようなことが挙げられます。
- 実質ゼロ金利政策の継続
- 金融機関が利息の付かない日銀当座預金から融資や証券投資にお金を回すこと
- アナウンスメント効果
- 金融機関に大量の資金供給をして金融システム不安を解消すること
この政策により、現在は円のレートは比較的安定して動いていますが、将来的にはどうなるか分かりませんので必ずチェックするようにしましょう。
関連記事ハイローオーストラリアの全通貨ペアとおすすめ3選をご紹介!
経済指標発表時のハイローオーストラリア攻略法
バイナリーオプションを始めたばかりで、「為替の動きもまだよく分からない…」という人は経済指標発表時のエントリーは避けたほうがいいでしょう。
ただ、ある程度慣れてきたなら挑戦してみるのもいいと思います。
ここでは、雇用統計を例に経済指標発表時のエントリーの仕方についてご紹介します。
経済指標の予想値をチェックして予想する
下図を見ていただけると分かりますが、経済指標には「前回値」「予想値」「結果」という3種類が公表されます。
アメリカ雇用統計(非農業部門雇用者数/失業率)を見てみると、前回(46.7万人)に比べて約21万人増えている(67.8万人)のが分かりますね。
これはどういうことかというと、アメリカの雇用が増えたということです。
このことから、多くの投資家がアメリカの経済状態は良いと判断するでしょうから、ドルが買われると予想できます。
つまり、対ドルの価格が上昇すると予想できるのです。
実際にチャートを見てみると、アメリカの雇用統計が発表された時間(2022/03/04/22:30)にドルが上がっていることが確認できますね。
経済指標発表後の反発を狙う
もう1つのエントリー方法は、経済指標発表後の反発を狙うというものです。
相場が上がれば、そのうちに売りたい人もいるので、相場には「調整局面」というのがあります。
下図は先程のチャートの5分足バージョンですが、22:30に上昇した相場が22:35に一気に回復(下落)しているのが分かりますね。
全体的に見れば、この相場はその後上昇していったのですが、短期的に見ると、このような調整があることも多いです。
この反発を狙って、上がりきったタイミングでLowエントリーするのもいいでしょう。
経済指標発表時のエントリーに関する注意点
経済指標発表時にエントリーする際に気を付けておくべきこともお話しします。
波に乗り遅れたら無理にエントリーしない
経済指標発表時のエントリーは、反発する前にエントリーを完了させておくのがコツです。
すでに反発が始まってしまっている場合は、エントリーを見送ったほうが賢明です。
また、値動きが早すぎる場合もエントリーは回避すべきです。
というのも、値動きが激しいと約定されないことが多く、狙ったタイミングでエントリーできずに、結果的に波に乗り遅れるということがあるからです。
初心者が避けるべき経済指標3選
先程おすすめの経済指標として以下の6つをご紹介しました。
- 政策金利(FRB、ECB、日銀、BOEなど)
- 米・雇用統計
- 消費者物価指数(CPI、HICP)
- ISM製造業景況指数
- ISM非製造業景況指数
- オーストラリアの経済指標
ただ、初心者でバイナリーオプションに慣れていない人は、特に値動きが激しく予想外な動きをしやすい次の3つの経済指標はエントリーを避けたほうがいいでしょう。
- 政策金利
- 雇用統計
- 消費者物価指数
まとめ
ハイローオーストラリア取引における経済指標について解説しましたが、いかがだったでしょうか?
経済指標は基本的に避けるべき対象ですが、あえて取引場合、ポイントは『タイミング』であるということが理解できたと思います。
タイミングをばちっと合わせられないから経済指標発表時の取引は難しいともいえます。
これにはある程度慣れが必要なので、デモ取引を活用して練習するのがおすすめです。